クラフト家具と暮らそう!

たとえ誰もいない深夜の公園であったとしたも、
日本では、ハダカでいると逮捕されるかもしれない国だ、ということを知って、
ちょっと引いてしまっている私です。

芸術の世界でヌードとは、決して「ワイセツ」なものでなく、
人体解剖学とともに勉強し収得する基本事項なので、
「ハダカ＝ワイセツ罪で逮捕」一辺倒で報道されている今回の騒動には、
いささか眉をひそめてしまうのです。

美術大学などで「人体デッサン」、すなわち「ヌード（男性、女性）」は、
よくある日常的な課題です。

「今日はヌードだから遅刻しないようにしないと。」
という会話がよく交わされますが、それはハダカが見たいと言う意味ではなく、
ポーズ中は入室禁止になるので、せっかくのポーズをロスしたくないという意味です。
（ちなみに人体の場合、大抵は
10〜20分で1ポーズ、５〜10分休憩、をくり返す。）

さて、ヌードが人体を描く上でいかに大切かは、実際に描いてみないとわかりませんが、
世の中の巨匠は実によく人体について研究しています。





レオナルド・ダ・ビンチの素描です。
ここにある人体は対象を見て描いたのではなく、
骨格と筋肉を考えながら想像したと思われます。





こちらもレオナルド・ダ・ビンチの素描。
人が動く時、洋服の下の骨格と筋肉はどのように付いているかを知っているかいないかでは、
実際に描いた時のリアリティーが格段に違ってくるものです。

たとえば人間の手首。
どんな形か想像してみてください。

「丸い筒形」だと思った人はいませんか？

正解は「つぶれて平になった筒形」です。
なぜ？

それは中に骨が2本、横に並んで入っているからです。
ではなぜ、肘から先の腕には、骨が2本あるのでしょう？

それは、骨が２本あることで、腕をねじることができるからです。

ほら、このように人体について考えていくと、
とっても興味深いと思いませんか？

今回の草なぎクン騒動で
「ハダカ＝ワイセツ」と考えてしまうのが日本人のハダカ観だとしたら、
ちょっと残念でもあります。