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2019年09月17日

感覚型のパイオニア、印象派に学ぶ

感覚型のパイオニア、印象派に学ぶ

今でこそオーダー家具を筆頭に木工全般の製作をしているわが社だけれど、遡ってみれば、先々代と先代は和家具(主に和茶棚というジャンルの家具)を制作していた。そういう歴史があるので、プロパー商品に和家具で使っていた要素(銘木や、杢の絡んだ突板など)を取り入れてみたら評判も良く、今では市川木工のスタイルと認識していただけるようになった。個性的な木の素材は、その素材の選び方や使い方にも、お作法というか流儀というか、いわゆる価値観があって、作り手がそこを踏まえているかいないかは、そのまま出来上がったものが「粋」に転ぶか「野暮」に転ぶかという境目にもなると感じている。

でも、お客様がみんな素材に対して目利きなのか?といわれれば、まったくそんなことはなくて、素材の価値を知らないという人は年々増え続けている。同じ材料でも、場所によって表情が違うし、お客様の好みだってバラバラだったりする。それでもやはり付加価値のある杢目や素材が人目を引くのは確かで、すごく抽象的な表現をするなら、良い素材にはオーラというか、色気がある。わが社は、そのオーラを感覚的に取り入れて、商品を作っている。

ところが、先日開催されたギフトショーにて、ある初対面の男性来場者に「いい材料使ってモノ作って、材料にあぐらかいてるんじゃない!これからはその価値がわかる人なんていなくなるんだ!もっと勉強して来い!」と、罵詈雑言吐きまくられた。これがもうすごい剣幕なのなんのって。木という素材は厄介で、特に男性に多い木のマニアは、素材愛なのか、ものすごく語る。もう、素材しか見てない人も多い。逆に女性は素材には全く疎いけれど、商品全体の雰囲気を見て評価をする。こういう場面に出くわすと、男と女はまったく違う生き物だと痛感させられる。

お客様には、インスピレーションで選ぶ感覚型と、まわりの評価で選ぶ理論型の2種類があるように思う。それでも最近のお客様は、「かわいい」「きれい」「使いやすそう」という、なんともふわっとした感覚で選ばれる方が多くなってきた。感覚というのは超主観的なものだから、人の価値観を認められないタイプとは水と油、きっと文句を言ってきた男性には、弊社の価値観を理解してもらえなかったということだ。

先日、東京都美術館で開催中のコート―ルド美術館展を見に行った。
コート―ルド美術館は教育機関の美術館とのことで、今回公開されている作品群は印象派の名作がずらっと並んでいる上、作品解説がすごくロジカルだった。それぞれの作品について、構図や技法、時代背景など、いろんな角度から深く掘り下げているのだけれど、きっと当時の作者は(印象派なんて特に)、解説されているほど計算ずくで絵を描いていたわけではないはず。でも、その感性がのちの世できちんと理論付けされて美意識が共有されていくのは芸術の進化だし、こういうことを繰り返して時代は移り変わっていくんだ。


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Posted by フォレストビュー/いちかわ at 08:10│Comments(0)どれでもない
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