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2021年02月18日

2本とも、実話に基づく出所モノ

コロナによる公開延期作品が多い中、狙っていた良作が立て続けに公開で、嬉し。
刑期を終えた受刑者の出所後を描いた2本、観賞しました。両方とも実話に基づいた作品。


すばらしき世界

2本とも、実話に基づく出所モノ

2021年2月現在、劇場で観賞した映画は7本。2021年勝手に映画ランキング暫定1位だった「燃ゆる女の肖像」を抜いて、この「すばらしき世界」が、現時点で1位になりました。そして、私的に、日本人No.1俳優だった樹木希林さん亡き後、次は誰かとずっと考えていたのですが、この作品で一片の迷いもなく日本人No.1俳優は役所広司さんに決定。

物語は、人生のほとんどを刑務所で過ごしてきた前科10犯の三上が、殺人の刑期を終えて出所するところから始まり。三上の短気すぎる欠点は、単純で真っすぐすぎる性格の裏返しでもあり。彼を支える周りの人間はそれを理解した上で、怒るでもなく、甘やかすでもなく、何かあるごとに丁寧に言い聞かせ、我慢を教えていきます。西川美和監督の、人間の内面を丁寧に描写した脚本も演出も心に響く傑作です。

絶賛モラトリアム中の若者の仲野太賀さん、良かった。少ししか登場しないのに役所広司さんに次ぐ抜群の存在感を発揮してるキムラ緑子さん、ブラボー。ちょうど公開中の「ヤクザと家族」は男性目線の映画で、「すばらしき世界」は女性目線の映画。両方を見ることで良い化学反応があります。それぞれの作品がより奥行きを持って立体的に、現実的に感じられること、間違いなし。

観賞のおススメ順は、ヤクザと家族➡すばらしき世界
どちらか1本ならば、「すばらしき世界」をご覧いただきたい。


聖なる犯罪者

2本とも、実話に基づく出所モノ

昨年のアカデミー賞で、「パラサイト」とともに国際長編映画賞にノミネートされたポーランド映画。さすがはアカデミー賞ノミネート!観客に対する問いかけと秘めたメッセージが幾重にもあり、一筋縄ではいかない深さ。

主人公ダニエルは、殺人で服役していた少年院でキリスト教に目覚めるけれど、犯罪者は聖職に就けないと知ります。出所後、たまたま立ち寄った小さな教会でついた嘘が発端となり、司祭が病院で治療する間、ニセの司祭を務めることに。
行き当たりばったりの告解はスマホのカンニングで対応、礼拝での所作や知識のなさをアドリブで切り抜けると、そのアバンギャルドな立ち振る舞いは、かえって人々の心を掴むことに。そして、本物の司祭が成し得なかった、さまざまな立場の人の魂を救うことにつながっていくのだけれど…。

ニセ司祭ダニエルは元殺人犯、本物の司祭はダメとわかっていても飲んでしまうアル中患者、事故の被害者側の裏にある加害者の一面、事故の加害者側が隠している事実。先入観は少しづつ裏切られ、それぞれの自己中な面がどんどん現れてきます。振幅の差こそあれ、善悪をあわせ持つのが人間だと思い知らされる作品です。


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Posted by フォレストビュー/いちかわ at 08:32│Comments(0)映画
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