クラフト家具と暮らそう!

最近見た映画の中から、自分目線で勝手にレビューしてます。
このところ見たものは、どの映画も良作ぞろい。
本日の映画3本、どれもおすすめの作品です。

9人の翻訳家・囚われたベストセラー



最近、プロットがすごすぎて、イメージしてたストーリーの先のそのまた先のはるか先に着地するような映画に当たるようになりました。例えば、途中までは想像できるけど、話が進めば進むほど、経験したことのない展開（しかも激しすぎ！）に度肝を抜く「パラサイト」や、西部劇とサスペンスが合体で人間の欲とバイオレンスまみれなのに、最後はまさかのハッピーエンドだった「ゴールデンリバー」なんかがそれ。

さて、この9人の翻訳家も、まさにそんな映画かと。なんといってもストーリーのアイデアが新しくてどんどん展開していくから、話に振り落とされないように食らいつくのが大変。さながらディフェンスとオフェンスが目まぐるしく入れ替わるスポーツのようです。ちょっとでも気を緩めると話に置いていかれるので、注意が必要かと。でも、全部が理解できて見終わったときの達成感は格別。文句なく面白い、超おすすめ。


ジュディ 虹の彼方に



ハリウッドの大スター、ジュディ・ガーランドのどん底の晩年と、ブレイク直前の子役時代とが交錯するノンフィクション映画。大スター時代の描写は無くて、無名の子役時代と落ち目の最晩年のみで描かれる一人の女性の話。辛い時代を踏ん張り切れずに流される人間臭さや、ハラスメントに抵抗できない立場の弱さがそこかしこに刻まれていて、胸が痛くなります。

「自分がジュディ・ガーランドなのは24時間のうちのたった1時間。あとはただの母親なのよ」というセリフが悲しい。主演のレネー・ゼルウィガーはまさに晩年のジュディそのもの。パフォーマンスは圧巻で、最後は涙してしまうほど。私の中にもジュディへの愛、ずしーんと感じました。オズの魔法使いを観たことのある人はそのまま、まだ観たことない人は、オズを観てから観賞されたし。


新聞記者



日本アカデミー賞主要3部門受賞でアンコール上映が始まり、観賞。まさに今見るべき、衝撃的な映画でした。映画自体は架空の話、だけど日本人ならそれがあの、森友事件と加計問題のことだと当然わかる。何より、現実社会では森友事件で自死した赤木さんの妻が民事で提訴して、真相究明を求めています。その裏側を、まざまざと見せつけられたような気にもなりました。日本社会のカースト、権力者の飴とムチ、ハラスメント、正義を追求することのリスク、巻き込まれた人間の苦悩・・・。

息を飲むラストシーンと、永遠に続く間。リアルを題材にしたフィクションだけど、続きが今まさにリアルで進行中。骨太の社会派作品と言われてるけど、それ以上に日本人が見るべき問題作。本当にすごい映画、真っ先に見るなら、これをおすすめ。