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2020年04月10日

「三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実」で知った、50年前の日本トップレベルの国語力

「三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実」で知った、50年前の日本トップレベルの国語力

観客4人(私、ダンナ、男性の2人連れ)の映画館で鑑賞。見終わった後の第一印象は、「50年前の日本語、ヒアリング難しい!」でした。正直、字幕がないと、何言ってるかわかりません。でも、三島由紀夫の語彙力と思考を瞬時に言語化する切れ味、知識の引き出しのとてつもない多さ、言わんとすることのロジカルな組み立てには、圧倒されました。一方、彼の思想は理解不可能。

登場する学生達は、ちょうど今の私の子供らと同じくらいの年齢なので、そこのところはかなり親目線で鑑賞。三島由紀夫は彼らを否定することなく、認めるところは認めて、押し付けずとも、自分の意見と違うところははっきりと指摘するというのは、先生と生徒っていうか、親と子供っていうか、きちんと向き合ってる大人な対応。でも、もしこれが三島と同年代の左翼との対話だったら、罵り合ってたのかな~?なんて。

忘れていけないのは、三島も学生も、自分のためだけに時間を使っている人間ということ。生きるために働かなくてはいけない大多数の人々とは立ち位置が決定的に違うから、思想が右だろうが左だろうが、彼らの意見が本流になることはないなーと。何より一番の違和感は、ここにいるのって男ばっかじゃん!ですよ。ああ、昨年の東大入学式で大きな話題になった上野千鶴子さんの祝辞、その背景の歴史、ここにありなのですね。でも、それほどまでに女を部外者にしてた時代から50年後に作られた映画のエンドロールに、続々と上がってくる女性スタッフの名前名前名前、心の中で大拍手でした。

さて近年、日本の子供たちの国語力が落ちていると言われてるけど、なるほどこの映画を見ると、確かに落ちてます、国語力。当時の東大国語力すごいです。言ってること、難解な単語だらけでわかんないし、今のテレビ討論の方がよっぽど易しい日本語使ってるし。でもね、それがまずいことなのか?っていうと、もしやそーでもないんじゃない?っていう話を先日、新聞で読みました。

個人的には、若い人を読解力がない、国語力がない、と批判ばかりするのは公平でないと思います。SNSで鍛えた映像やデザイン力、短いフレーズで相手を共感させる力は、素晴らしいものがあります。
(朝日新聞4/4朝刊 渡邊峻さん 書くためには「読む」習慣 より抜粋)


↑これですよこれ!ネットのトレンドワードなんて、切れ味良すぎますから。最近だって、#アベノマスク、#名古屋飛ばし、などなど、これ見てるだけでニュースがわかりますし。

相手を論破することに意義を見出し、対立には暴力発動、女は蚊帳の外な時代から50年。見終わって思うのは、ダイバーシティはいいねってこと。それともうひとつ、もしや三島とゴッホは同じ種類の人間?ってこと。


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Posted by フォレストビュー/いちかわ at 09:20│Comments(0)映画
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