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2011年06月20日

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ピアノの公開レッスンがあった。

1~2週間ほど前、
長女にレッスンモデル生をやらないかという打診があった。
その時、暗譜はおろか、
譜読みすら中途半端な状態だったにもかかわらず、
娘は引き受けてしまった。

さて、迎えた当日のレッスンは、
それでも何とか乗り切って終了。
実はこの時点で、
私がこの曲をフルバージョンで聴くのは、ほぼ初めてに近い。
数えてみても、3回もない。

私が娘達のステージママをやめてから、一年くらいになる。
まだ小さいころは一緒にレッスンしてたこともあったけれど、
そんな子供たちも、もう高校生と中学生。
親がどうこう言う歳ではすでにないのだ。

たまにしか聴かないピアノは、いい。
上手いとか下手とか、
はたまた技術的にどうこうとかいう問題を度外視して、
「何が言いたいのか?」
という、大きな雰囲気を知ることができる。

毎日同じ曲を聴いていると、
ちょっとのミスばかり気になる。
それは重箱の隅の、
塗りにくっついた小さなホコリが気になるようなもの。
そうなると悪いことに、肝心の重箱が歪んでいることなど
全く見えなくなってしまうんだけど、
そんなことさえお構いなし。

作詞家の松本隆氏が松田聖子さんのことを
「音符に言葉を置くことができる、稀有な歌手」
と言っていたけれど、
どういう気持ちを音符に置きたいのか?
というのは、
曲を作り上げるための根っこの根っこだ。

某作曲家の先生が、言っていたこと。

聴きたいのは、
「今ここにモーツアルトやショパンが生きていたら、
こういう風に弾くであろう音楽」ではなくて、
「与えられた楽器と音符と、数少ない最低の指示を使って、
自分の気持ちを表現した音楽」ですよ。

昨日初めて、
音楽=絵画だと実感した。
なんとなく、うすうすとはわかっていたけれど、
絵を描くことと、音楽を奏でることが、
ここまで全く同じことだと肌で感じたことはなかった。

遠くに下がって全体を見る視点を忘れてはいけない。
味見ばかりしていたのでは、
しょっぱいのか甘いのかわからなくなるものだから。

私たちが作っている家具や生活具は、
ここにある素材を生かして、
気持ちを置くことのできる道具だ。

音楽も絵画も、
モノづくりだ。


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Posted by フォレストビュー/いちかわ at 10:37│Comments(0)芸術
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