2010年05月13日
ウエスの話

ウエスとは、古布から作った拭き取り布のこと。
一般的に言う「ぼろ布」。
さて、家具製作においてウエスは必需品。
いろんなものを拭き取るのに使います。
ボンド、オイル、等々。
磨く時にも使います。
納品時、家具のみならずガラスを拭いたりもします。
ウエスの優等生は使い古しの布おむつ。
さんざん洗って吸水が良くなり、
細かい繊維も抜け落ちて屑が出なくなったのなんて最高。
こういうのは、版画の時に使います。
工場で使うウエスは綿のメリヤス。
下着の素材。
大量に使うため家で出るぼろ程度では賄えないので、
わざわざ買っています。
さて、この購入するウエスにはランクがあって、
新品の布をカットしただけものが一番高い。
その次のランクは細かい布を縫製して仕立ててあるもので、
そっちの方がちょいと安め。
うちではこれを使用。

多分、下着などを作る際に出たカットロスを、
つなぎ合わせているんだと思います。
実は先日、このつぎはぎウエスを、
納品に伺ったお客様の家に一枚置いてきてしまいました。
置いてきたと言っても使い捨てるのがウエスですから、
正確には「捨てたつもりがゴミ箱に入って無かった」くらいのニュアンス。
そうしたら後日、そのお客様がウエスを、
「忘れ物がありましたよ。」と、人つてに届けてくださいました。
ええ?これはウエスですよ。かえって申し訳なかったです。
「え?ウエスってなに?」
ぼろ布のことです。捨ててくれて良かったのに。
「あらまあ。
こちらとしてはこんなにぼろぼろになった布を、
わざわざ縫い合わせて使っているんだから、
よっぽど大事にしていたのねえ、って言ってたんですよ。
きっとすごく高いのかもしれないわねって。
忘れてしまって、さぞお困りでしょうねって思ってました。」
そう言われて改めて見てみれば、
ちゃんとミシンでパッチワークのように繋いであるのでした。
手は込んでいるけれど、
ランクは縫い合わせて無いものよりも安いんだよなあ。
お客様を煩わせてしまったけれど、
視点を変えればウエスだって大事なものに見えるのだという出来事でした。
Posted by フォレストビュー/いちかわ at 13:36│Comments(4)
│日常
この記事へのコメント
くぅ~!!
ウエス・・・
泣かせますねぇ・・・
ウエス・・・
塗装班の必需品!!「ウエス」
昔、使っていたウエスが、どっかの小学校の体操着の切れっ端でした。
よ~く見て見ると・・・
何と、クマの卒業した小学校の名前が付いていました。
くぅ~・・・懐かしい!!
ウエス・・・
泣かせますねぇ・・・
ウエス・・・
塗装班の必需品!!「ウエス」
昔、使っていたウエスが、どっかの小学校の体操着の切れっ端でした。
よ~く見て見ると・・・
何と、クマの卒業した小学校の名前が付いていました。
くぅ~・・・懐かしい!!
Posted by クマ
at 2010年05月13日 18:01

*クマさん
そうか、大きい会社は「塗装班」があるのですねぇ。
ウエスのランクにはどうやら、
新品布、切れ端布等から、病院のシーツ、古着、そしてパンツまであるらしいです。
ちなみに我が社が買ってるのは、10キロ¥7,000-の品。
結構良い値段です。
そうか、大きい会社は「塗装班」があるのですねぇ。
ウエスのランクにはどうやら、
新品布、切れ端布等から、病院のシーツ、古着、そしてパンツまであるらしいです。
ちなみに我が社が買ってるのは、10キロ¥7,000-の品。
結構良い値段です。
Posted by フォレストビュー/いちかわ at 2010年05月13日 20:38
今の会社では出入りの業者にウエスを頼んでます。
おしぼりウエスで価格は900円。
10年前はしっかりしたものだったのが今はボロボロ。
軽く絞ったらちぎれます。
その分、枚数は多くなりましたよ。
おしぼりウエスで価格は900円。
10年前はしっかりしたものだったのが今はボロボロ。
軽く絞ったらちぎれます。
その分、枚数は多くなりましたよ。
Posted by とおる at 2010年05月13日 21:35
*とおるさん
ナルホド、おしぼりなら業者がカットする必要も無い訳ですね。
ウエスの世界はおもしろいですね。
究極のエコ産業。
おしぼりもとことん使い込む時代になったということですね。
ウエスは時代を写す鏡ってか?
ナルホド、おしぼりなら業者がカットする必要も無い訳ですね。
ウエスの世界はおもしろいですね。
究極のエコ産業。
おしぼりもとことん使い込む時代になったということですね。
ウエスは時代を写す鏡ってか?
Posted by フォレストビュー/いちかわ at 2010年05月14日 07:35